政府は28日にも新型コロナウイルスの感染拡大への対策をまとめる。雇用を維持して従業員を休ませた企業を支援する雇用調整助成金については9月末までの特例措置を延長する。(日経 2020/08/26)
雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業の従業員の雇用維持が目的です。
雇用維持が目的ですから、対象となる企業は中小企業に限らず、多くの従業員をかかえる大企業も対象となっています。
区 分 | 大企業の助成率 | 中小企業 の助成率 |
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主 | 2/3 | 4/5 |
解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主 | 3/4 | 10/10 |
業種も多岐に渡っていて、少し古い日経記事(2020/5/26)ですが、鉄鋼(日本製鉄、JFEスチール)、輸送機器(ホンダ、マツダ、三菱自動車)、機械(日本精工)、小売り(ローソン、小田急百貨店、松屋)、航空(ANAホールディングス、エア・ドゥ)、鉄道(JR西日本、JR北海道)が「すでに活用している」「申請する」としています。
2020年4~6月期決算によると、丸井グループ、オリエンタルランド(東京ディズニーランド)なども雇用調整助成金の受給をうけているようです。
この雇用調整助成金の財源ですが、これは企業が負担する雇用保険の積立が主な財源になっているようです。
特例で1万5千円に拡充した分の財源は、中小企業向けは国の一般会計から拠出。6月に成立した2020年度第2次補正予算で手当てした。大企業向けは、高齢者らを積極的に雇う企業への助成や、働き手のキャリア形成支援に必要な資金を給付する「雇用保険2事業」の積立金が財源となっている。(日経 2020/8/18)
財源が枯渇すれば、失業等給付、雇用保険二事業、就職支援法事業 などに影響を及ぼします。
今すぐではないにしても、近い将来雇用保険料の値上げは避けて通れないものと思われます。
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