合併・分割・株式交換・株式移転

合併スキームを考える上で税金面も考慮する必要があります

合併の方法には、企業がもう一方の企業を吸収する「吸収合併」と、2社以上の企業が合併して新たな企業を設立する「新設合併」の2つの方法があります。

会社は合併目的を達成するために上記2つのうち、いずれかを選択することとなりますが、その際、税金面も考慮する必要があります。
税制上の「適格合併」又は「非適格合併」に該当することにより、税務上の取扱いに大きく違いが生じるからです。

「適格合併」とは、グループ内(50%超の支配関係)又は共同事業を行うための結合で、株式等以外の資産(金銭など)が交付されないなど一定の要件を満たしている場合が該当し、メリットとしては以下のようなものがあります。

適格合併のメリット

  • 被合併法人の繰越欠損金の引き継ぎが可能(一部利用制限あり)
  • 株主に対し、みなし配当が発生しない

非適格合併のメリット

  • 税務上、被合併法人の所有資産の含み益を実現化して、合併法人に引き継がせることができる

会社分割の手法で相続対策をスムーズに行うことも可能です

会社分割は、組織再編の手法という側面だけではなく、相続対策(事業承継・株価対策等)で利用するケースも数多くあります。

オーナー会社を事前に「会社を分割する」→「株式交換」することにより、相続人間の争族(経営権争いなど)を避ける場合や、株式の相続税評価額を下げるため(株式保有特定会社又は土地保有特定会社の評価を回避)など利用方法も様々です。

株式交換は持株会社を作る際に便利な手法です

株式交換は、組織再編のうち、持株会社(100%子会社)を取得する際の手法になります。

自社の株式を相手方の株主に交付することにより、買収する資金を必要とせずに会社買収と同じ効果を得られ、かつ、合併と比較して手続きが簡易であるなどが特徴です。

また、税務上の条件をクリア(適格株式交換に該当)すれば、子会社株主は株式売却益の課税が繰り延べられるメリットがあります。

株式移転は、結果的に株式交換と同じ効果を得られます

株式移転は、
「親会社を設立」

矢印
「子会社の株式を親会社が受入」

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「子会社の株主に親会社株式を交付する」ことにより、結果的に株式交換と同じ効果が得られる組織再編の手法です。

株式移転においても、税務上の条件をクリア(適格株式移転に該当)すれば、子会社株主は株式交換同様、課税が繰り延べを受けられます。

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