【消費税】法人の消費税の申告期限の延長の特例

法人税の申告期限は原則、期末から2ヶ月後ですが、定款等によって株主総会が期末から2ヶ月以内に招集されない常況にあるときは、決算が確定しないことから、申請により1ヶ月間の申告期限の延長の特例があります。

ところが、消費税の申告についてはこのような特例がありませんでした。
これは、消費税は期中の課税売上高から課税仕入高を控除して計算するので、決算の確定を前提としていないためです。

法人税の申告期限が1ヶ月延長されていても、期末から2ヶ月を過ぎての納税は利子税(現行年1.6%:令和3年以降年1.1%)(財務省HP👈クリック)が生じてしまいます。
実務では、消費税の申告業務と並行して、法人の決算申告業務を行い、本来の申告期限である期末から2ヶ月後には法人税・地方税の見込税額を納めてしまいます。

理屈はともかく、消費税は期末から2ヶ月、法人税・地方税は期末から3ヶ月であることについて、実務面で下記のような指摘が続いていました。


・決算期末から 2 月の間に、決算書作成、決算発表、有価証券報告書への対応、消費税の確定申告書の作成等の業務が集中することにより、相当程度の時間外労働が発生している

・ その後の法人税の確定申告書の作成の過程で、消費税の申告内容に誤りが見つかった場合には、消費税の修正申告書の作成又は更正の請求に必要な書類の作成が必要となり、これらに伴う事務負担が発生している(財務省HP👈クリック)


これを受けて令和2年4月の税制改正で、下記のように改正されました。

「法人税の申告期限の延長の特例」の適用を受ける法人が、「消費税申告期限延長届出書」(国税庁HP👈クリック)を提出した場合には、その提出をした日の属する事業年度以後の各事業年度終了の日の属する課税期間に係る消費税の確定申告の期限を1月延長することとされました。

適用開始時期は、令和3年3月 31 日以後に終了する事業年度終了の日の属する課税期間から適用されます。
届出書の提出時期は、消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けようとする事業年度末日までの提出となっています。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

 

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