【コラム】新しい価値基準

昨日の日経新聞によると、ここ10年で世界の先進国の失業率は大幅に下がったそうだ。にも関わらず、労働分配率は低下傾向だという。ということは、一人当たりの人件費は大幅に下がったということになる。

世界の上位26人の富裕層が下位38億人の貧困層と同等の資産を保有しているそうだ。日本の場合これほどではないにしても、やはり所得の格差は広がっているのだろう。

戦後の高度成長の恩恵を受けた団塊の世代の人たちが中間層を構成している。一方、それに続く世代はグローバル化、デジタル化のせいで、もはや以前のようなピラミッド型の組織をした会社はなくなりつつある。

飛び込み営業、飲食店、営業ドライバー、建築現場、警備員、交通整理・・・。結婚をして所帯を持っても年収が500万円に届かない、就職はできるが将来の見通しがたたない層が団塊の世代に続いているのだ。

昔から「富の再分配」という経済政策がある。税制や社会保険制度で所得が多い者から税や社会保険料という形で国が所得を徴収し、所得の低い層に再分配するのである。

これには、副作用が伴う。つまり、働かなくてもお金は天から降って湧いてくるのだから、誰も働くなる。一方では働いても働いても稼いだお金は税金で国に取られてしまう。もっと税金の低い国に移住するか、馬鹿らしくなって働くのやめてしまうかも知れない。

過度に富の再分配を行なってしまうと、国活力が衰退してしまうのである。今はまさに、新しい価値基準が求められているのではないだろうか。(続く)

 

∞∞吉岡∞∞

 

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