サラリーマンが定年退職するに当たって悩むのが、健康保険です。
選択肢としては特別な場合を除いて、「国民健康保険」か「会社の健康保険の任意継続」のいずれかだと思います。
-国民健康保険を選択した場合-
<概要>
・手続きは、退職日の翌日から14日以内に、国民健康保険課など自治体の担当窓口で行います。
・あまり知られていませんが、国民健康保険の保険料は、住む地域によってその負担に大きな違いがあります。
平均所得者の保険料水準を示す指標(標準化指数)をみると、最も高いのは徳島県で東京都の1.5倍となっています。市町村ではさらに大きな開きがあり、年によって変動がありますが、おおよそ4倍前後の格差があります。(厚生労働省のHPより)
・保険料は、所得割と均等割からなっています。
所得割は1世帯全員について、各人ごとに前年の総所得金額等から33万円を控除した金額の合計額が基準となります。
均等割は1世帯あたりの加入者数と、介護保険料の対象(40歳~64歳)になる加入者数に応じて計算されます。
・ただし、上限額が定められていて、平成30年度の東京23区の場合、国民健康保険料の年間上限金額は930,000円となっています。
<留意点>
・退職金は総所得金額等に含まれないため、国民健康保険料には影響しません。
・定年後の再雇用制度の適用を受けていた場合は、給与水準は定年前の半分程度となっていることが多いためあまり大きな影響を受けないかもしれません。しかし、再雇用制度を利用しなかったり、早期退職制度を利用したような場合には退職した年の所得が大きいため国民健康保険を選択すると翌年の保険料が多額になる場合があります。
・また、国民健康保険料は主として前年の総所得金額等をもとに市区町村ごとに定められるため、退職した年に株式売却益や配当等を申告した場合は退職した翌年の国民健康保険料が増加します。場合によっては、源泉分離課税や申告不要制度を利用した方が有利となる場合があります。・・・・<続く>
∞∞∞∞ 吉岡 ∞∞∞∞

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