年末調整の時期になりました。
今年から年調はとても複雑になりました、税理士もそうですが企業の担当者も大変だろうと思います。
主な改正点は次です。
・給与所得控除の改正
・所得金額調整控除の創設
・合計所得金額に応じた基礎控除改正
・ひとり親控除の創設
・寡婦控除の改正
この改正に伴い、年末調整ために従業員が会社に提出する申告書の用紙も変更されています。
これまで、婚姻歴のない、いわゆる未婚のひとり親は寡婦(寡夫)控除の対象とはなっていませんでした。これについて、かねてより、・ 未婚のひとり親も婚姻歴のある親も経済的に苦しい状況は同じであり、・ 離婚・死別した親の子どももいわゆる「未婚の母」等の子どもも「ひとり親の子ども」という点では同じであって、過去の婚姻歴の有無で区別することは不公平といった理由により、寡婦(寡夫)控除の対象に未婚のひとり親を加えるべきとの主張がありました。
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最終的には子どもの生まれた環境や家庭の経済事情に関わらず、全てのひとり親家庭に対して公平な税制を実現する観点から、「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を同時に解消し、同一の「ひとり親控除」を適用することとされました(その際、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者は対象外とされました 。)。(財務省HP👈クリック)
このような趣旨で、今年から寡婦(寡夫)控除が改正され、ひとり親控除及び(新)寡婦控除になりました。なお、特別の寡夫は廃止されました。
会社に提出する「給与所得者の不要控除等(異動)申告書」には、ひとり親に該当する場合はレ点をいれるようになっています。
ひとり親(所法2①三十一) 現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない者で(・・・)もののうち、次に掲げる要件を満たすものをいう。 イ その者と生計を一にする子(・・・)を有すること。 ロ 合計所得金額が500万円以下であること。 ハ その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者※(・・・)がいないこと。 ※住民基本台帳の続柄の記載が未届の夫又は見届の妻となっていないこと |
事実婚の場合で社会保険の関係から住民票には未届の夫又は見届の妻としてなっている場合があります。
しかし、会社にはその事実を知られたくない、しかしひとり親の控除は受けたいとして、ひとり親の箇所にレ点をつけなかったらどうなるでしょうか。
ひとり親の控除を受ければ所得税だけでなく住民税も安くなります。
住民基本台帳の整備・管理等は住所地の市町村で行いますので、この場合おそらく住民税の方から発覚するのではないでしょうか。
∞∞ 吉岡 ∞∞