【コラム】法人の借入返済と実効税率

銀行借入れをすると、借り入れの返済が始まります。
返済額は元本とその利息の合計額となりますが、返済原資は企業利益です。

正確に言えば、利息は費用になりますから、利息を払ったあとの税引後当期利益から、元本の返済をすることになります。

元本返済額 = 利益 - 税金
= 利益 - 利益 × 実効税率
= 利益 × (1 - 実効税率)

上記式は、利益 = 元本返済額 / (1 - 実効税率)となります。

元本返済額:1,000
実効税率:(仮)30%
利益 = 1,000 / (1 - 0.3) ≒ 1,428

つまり、設備投資をして毎年の借入返済が1,000だとすると、会社の実効税率が30%なら、元本を返済するためには、約1,428の利払い後の利益を上げ続ける必要があります。

見方を変えれば、それだけの利益をあげられない投資は再検討すべきということになります。


実効税率の求め方は次のとおりです。
正確な実効税率を知りたい場合は、会社の経理担当者か顧問税理士に計算してもらってください。

実効税率= 法人税率×(1+地方法人税率+住民税率)+事業税率+特別法人事業税率
1+事業税率+特別法人事業税率

(具体例)資本金1億円以下、東京都、標準税率の場合

法人税率(800万円超の部分) 23.2%
地方法人税率 23.2%×10.3%= 2.3896%
都民税法人税割(不均一課税適用法人の税率)  23.2%×7.0%= 1.624%
事業税(標準税率) 7.0%
特別法人事業税  7.0%×37%= 2.59%
実効税率 = (分子)36.8036% / (分母)/1.0959 ≒ 33.58%

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

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