最も甘かったのは地銀とゆうちょ銀行の預金がドコモ口座から引き出された例だ。ドコモ口座は匿名のメールアドレスだけで登録できた。銀行側でも、預金口座の番号と暗証番号を入力すればドコモ口座とひもづけ、預金口座から入金できた。(2020/9/16 日経)
複数の電子決済サービスで銀行の預金が流出している問題で、不正の実態が明らかになってきた。SBI証券では不正なアクセスで9864万円が流出した。犯罪者が他のネットサービスで使ったパスワードを盗み取り、同姓同名の偽口座を作ってお金を引き出していた。犯罪の手口は高度になっている。本人確認が破られる深刻な事態で安全対策は待ったなしだ。(2020/09/18 日経)
ドコモ口座にしろSBI証券にしろ、今のところ事業者が全額保証するとしているので実害はない見込みです。
しかし、事業者からの注意喚起を無視していたり、IDやパスワードを使いまわしにしていたりしていたような場合、どこまでが事業者の責任で、どこまでが利用者の責任なのか難しい問題が出てきます。
今のところ、事業者も完璧なセキュリティー対策はないと認めています。こまめにパスワードを変更する、預貯金残高やクレジットカードの利用履歴を確認する、可能なら生体認証を利用するといった地道な努力が必要なようです。
ところで、所得税法では、こういった預貯金の不正流失やカードの不正利用などの盗難によって受けた損害については、雑損控除の対象になります。
雑損控除とは、各種所得の金額の合計額から差し引ける所得控除の一つです。災害・盗難・横領によって資産について損害が受けたことにより、担税力に影響を受けたことへの考慮、といういのが制度の趣旨です。
雑損控除の対象となる資産の範囲、損害の原因、雑損控除の金額の計算方法についてはこちら(国税庁HP 👈クリック)を参照ください。
なお、振り込め詐欺は、災害・盗難・横領のいずれにも該当しないので雑損控除の対象にはならないというのが、国税庁の見解です。
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