相続が発生し、10ヶ月以内に遺産分割協議を終え、相続税の申告・納税は無事終えました。
相続税の税務調査がなければ無事終了という中で、遺品の整理をしていたら一万円の札束がいくつも出てきたケースです。
まず、この現金はだれのものになるでしょうか?
これは遺産分割協議書の記載次第です。
遺産分割協議書に被相続人の財産のすべてを記載することは事実上困難です。
家の中にある家財等でしたら「その他家財道具一式」などと表現しますが、例えば他人にお金を貸していたことを証する金銭消費貸借が出てきたとか、実は被相続人が親から相続していた非上場株式があったとか、遺産分割時には想定されていなかった財産が遺産分割後に出てくることがあります。
このような場合には、遺産分割協議書に「この余の財産は〇〇が取得する。」と記載をしておけば財産の帰属で問題になることはありませんが、一方では先の事例のように多額の金銭が出てきたような場合は後で揉めるかもしれません。
揉めたからといっても「この余の財産は〇〇が取得する。」と遺産分割協議書に財産の帰属の合意がなされている以上、新たに出てきた財産を再度分割協議すると相続人間での贈与の問題が生じてしまいます。
再度分割協議が必要になる財産が出てくることが少しでも懸念される場合は、遺産分割協議書に「この余の財産は〇〇が取得する。」とは記載はしないで、再度遺産分割協議書を作成する方がよいでしょう。
∞∞ 吉岡 ∞∞