国税庁は先日(5月29日)に平成30年度分「会社標本調査」の結果を公表しました。この調査は毎年公表され、 今回で69回目となりました。
この調査による最近の欠損法人の割合は下記のとおりです。
区分 | 利益計上法人 | 欠損法人 | 合 計 | 欠損法人割合 |
平成20年度 | 740,533 | 1,856,575 | 2,597,108 | 71.5% |
21 | 710,552 | 1,900,157 | 2,610,709 | 72.8% |
22 | 702,553 | 1,877,801 | 2,580,354 | 72.8% |
23 | 711,478 | 1,859,012 | 2,570,490 | 72.3% |
24 | 749,731 | 1,776,253 | 2,525,984 | 70.3% |
: | : | : | : | : |
29 | 1,006,857 | 1,687,099 | 2,693,956 | 62.6% |
30 | 1,032,670 | 1,692,623 | 2,725,293 | 62.1% |
(構成比) | (37.9) | (62.1) | (100.0) |
(第6表 利益計上法人数・欠損法人数の推移 より転載)
この表を初めて見た人は驚かれるかも知れませんが、わが国の200万社を超える法人のうち黒字の法人はだいたい3割から4割弱で推移しています。残りは赤字の法人です。
例えば、平成30年の法人税収は約12兆円ですが、この12兆円は4割弱の黒字の法人が稼いだ結果なのです。
で、本題ですが、平成20年度(上記の表赤字の年)はリーマン・ショック※があった年です。いまでも時々話題になりますが、資産の大暴落がおき、当時の日経平均株価1万2,000円台から一気に6,000円台まで下落した年です。
※リーマン・ショック:2007年のアメリカ合衆国の住宅バブル崩壊をきっかけとして、サブプライム住宅ローン危機を始め、プライムローン、オークション・レート証券、カードローン関連債券など多分野にわたる資産価格の暴落が起こっていた。(Wikipediaより)
上記表によれば、その後利益計上法人が増加に転じてリーマン・ショック時に戻ったのが平成24年ですから、それまでに3年(上記の表21年~23年ピンクの年)の期間を要しています。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響は、リーマン・ショックの匹敵する、いやそれ以上、リーマンの比ではないなどいろいろといわれています。
日本経済が元の姿に戻るのは、おそらく3年とか5年とかあるいはそれ以上の時間を要するかも知れません。
∞∞ 吉岡 ∞∞