書籍やインターネットのサイトをみていると、雑損控除の計算方法が二種類でてきます。
A:災害関連支出の有無と金額で区分
① | その年の損失の金額のうちに災害関連支出の金額がない場合又は5万円以下の場合 | 損失の金額-総所得金額等☓1/10 |
② | その年の損失の額のうちに5万円を超える災害関連支出の金額がある場合 | 損失の金額-次のいずれか低い金額 (ⅰ)損失の金額-(災害関連支出の金額-5万円) (ⅱ)総所得金額☓1/10 |
③ | その年の損失の金額がすべて災害関連支出の金額である場合 | 損失の金額-次のいずれか低い金額 (ⅰ)5万円 (ⅱ)総所得金額等☓1/10 |
B:災害関連支出の有無と控除限度額で区分
次のイ、ロのうちいずれか多い方の金額
イ | 損失の金額 - 総所得金額等 ☓ 1/10 |
ロ | 損失の金額のうち災害関連支出の金額 - 5万円 |
- 検討 -
A-① 災害関連支出の金額がない場合又は5万円以下の場合 ==> B-イ
A-②
(ⅰ)損失の金額-{損失の金額-(災害関連支出の金額-5万円)}
=災害関連支出の金額-5万円 ==> B-ロ
(ⅱ)損失の金額-総所得金額☓1/10 ==> B-イ
A-③
(ⅰ)損失の金額-5万円 ==> すべて災害関連支出の金額-5万円 ==> B-ロ
(ⅱ)損失の金額-総所得金額☓1/10 ==> B-イ
-結果-
当然のことながら、両者は同じ内容であることがわかります。
※総所得金額等
事業所得、不動産所得、給与所得などの所得を合計した金額に、これらの所得とは分離して計算する退職所得、山林所得を加算した合計所得から、純損失の繰越控除、雑損失の繰越控除を適用した後の金額をいいます。(詳しくは国税庁HP👈クリック)
※※災害関連支出
災害等に関連して住宅家財等の取壊し又は除去などのためにした支出をいいます。災害関連支出のうち、災害により生じた土砂を除去するための支出などの原状回復支出については、災害のやんだ日から1年以内(大規模な災害の場合等には、3年以内)に支出したものが対象となります。
∞∞ 吉岡 ∞∞