3. 暗号資産の必要経費
次に、暗号資産の所得(雑所得)計算における必要経費です。
・暗号資産の売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
・暗号資産に関連してその年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
売上原価については「2. 暗号資産の譲渡原価」をご参照ください。
注意しなければならないのは暗号資産の販売費や一般管理費です。
雑所得である暗号資産の譲渡等の場合は、不動産所得や事業所得と違って次のような限られたものなるでしょう。
・ 暗号資産の売却の際に支払った手数料
・インターネットやスマートフォン等の回線利用料※
・パソコン等の減価償却費等※
※家事上と業務上の両方に関わりがある費用(家事関連費)については、取引の記録に基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合に限り、その区分した金額を必要経費に算入することがでるとされています。
4. 所得金額の計算
-(例1)-
・暗号資産の年間の譲渡収入金額 11,200,000円
・上記暗号資産の譲渡原価 8,640,000円(総平均法)
・暗号資産の譲渡にかかる必要経費 150,000円
・他雑所得該当する所得はない。
雑所得の金額:11,200,000円 - 8,640,000 - 150,000円 = 2,410,000円
-(例2)-
・暗号資産の年間の譲渡収入金額 8,200,000円
・上記暗号資産の譲渡原価 8,640,000円(総平均法)
・暗号資産の譲渡にかかる必要経費 150,000円
・他に満期保険金の年金にかかる雑所得が1,200,000円がある。
暗号資産に係る所得:8,200,000円 - 8,640,000 - 150,000円 = ▲590,000円
保険金に係る所得:1,200,000円
雑所得の金額:▲590,000円 + 1,200,000円 = 610,000円 ※
※雑所得の損失は他の所得との損益通算はできませんが、上記(例2)のように雑所得内での通算(内部通算)は可能です。
ただし、雑所得であってもFX取引のような申告分離課税となるものは内部通算できないのでご注意ください。
∞∞ 吉岡 ∞∞