コロナ禍の前から地方都市の駅前商店街はシャッターが下りている店舗が少なくありませんでした。かつては地方都市の交通の要は鉄道でしたから駅前はそれなりに賑わっていました。経済発展とともに車社会になり、また大店法の影響で郊外に大型スーパーができるとともに徐々に駅前商店街は衰退していきました。
それに追い打ちをかけたのが昨年からのコロナ禍です。
「黒字でも休廃業」6割 コロナで消える老舗
企業の廃業や休業が目立ち始めている。政府の緊急事態宣言や外出自粛の長期化で、事業の継続をあきらめた経営者が増えている。廃業を検討する事業者も多く、雇用や地域経済への影響に懸念が高まる。新型コロナウイルス禍から1年。廃業の実態と課題に迫った。(2021/4/5 日経)
駅前店舗では2代目、3代目というのも少なくなく、相続で土地・建物は兄弟共有、1階が店舗、2階・3階が住居というようなケースが見受けられます
通常住宅を譲渡した場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の適用がありますが、このような建物の利用形態場合はどうなるでしょうか。
居住用財産とは、自分が住んでいる家屋やその敷地地や借地権をいいます。したがって、所得税法の適用において居住用以外の用途(店舗や貸家等)の供している部分は特例の対象とはなりません。
ただし、店舗等部分の割合が低い家屋として居住の用に使っていた部分が全体の90%以上であるときは、全体を居住の用に使っていたものとしてこの特例を受けることができます。
(具体例)
甲と乙は、3階建ての家屋とその敷地を共有しています。各々の持ち分は2分の1ずつです。家屋の1階は店舗として第三者に貸し付けています。2階部分には甲が、3階部分には乙が居住しています。なお、各階の床面積はすべて同じとします。
①甲・乙の居住専用割合・・・各1/3
②甲・乙の共有割合・・・各1/2
① < ② なので 建物及びその敷地のうち、全体の1/3※が特例の対象となります。(国税庁HPより👈クリック)
※甲・乙それぞれの持ち分3/6のうち2/6(=1/3)が居住用、1/6が貸店舗用ということです。
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