不動産所得の業務の用に供されるつぎの資産は、通常時の経過によってその価値が減少しますので、減価償却資産※といいます。
・建物・・・木造、木造モルタル造、コンクリート造り、鉄筋コンクリート造りなど
・建物附属設備・・・電気設備、給排水・衛生設備、ガス設備、エレベータなど
・構築物・・・塀、外構など
・器具備品・・・冷暖房設備、電気冷蔵庫、カーテン、家具等
・その他
※建物や駐車場の敷地である土地等や書画・骨とう品などの類は、原則として時の経過により価値が減少しない資産なので、減価償却資産とはいいません。
減価償却資産の取得費は、その取得時に全額不動産所得の必要経費となるのではなく、その資産の使用可能期間に分割して必要経費としていきます。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数があらかじめ定められていて、一定の計算に従って減価償却費を計算します。
ところで、その使用可能期間が1年未満のものや取得価額が少額なものについては、つぎのような特例などがあります。
・使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、全額をその業務の用に供した年分の必要経費とします(選択ではなく強制)。
・取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、その取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。詳しくは国税庁HPをご参照下さい。
・青色申告者の場合、取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産で、取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できるという特例があります。詳しくは国税庁HPをご参照下さい。なお、この特例を使った場合、地方税である償却資産税の申告対象になりますのでご注意下さい。
取得価額の判定にあたっては、消費税の額を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。免税事業者の経理方式は税込経理です。