相続税や贈与税の計算にあたって財産を評価する場合は、財産評価基本通達(👈国税庁HPクリック)に従います。
土地等や建物、上場株式や非上場株式、ゴルフ会員権、書画骨とう品等々、すべてです。
相続税や贈与税は、時価を超えて課税すをることは許されません。したがって、例えば土地等の評価に使われる路線価は安全を見て地価公示価格等の80%程度(👈国税庁HPクリック)で設定されています。
また、建物の評価は固定資産税評価額で評価することになっていますが、この評価額だと実態は建築価額の半分以下になるようです。
つまり、被相続人名義で借金をして不動産を購入すれば、不動産の評価額の方が借入金の額よりも小さくなり、他の相続財産を圧縮することができます。
このことを利用して相続税をゼロにまで圧縮した申告事例があります。
課税庁がこの申告を認めなかったことから訴訟に至りました。
B銀行からの各借入れ及び各不動産の購入がなければ、本件相続に係る課税価格は、6億円を超えるものであったにもかかわらず、各借入れ及び各不動産の購入がされたことにより、相続税の申告による課税価格は、2826万1000円にとどまるものとされ、基礎控除(1億円)により、本件相続に係る相続税は課されないこととされたものである。
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以上にみた事実関係の下では、本件相続における各不動産については、評価通達の定める評価方法を形式的に全ての納税者に係る全ての財産の価額の評価において用いるという形式的な平等を貫くと、各不動産の購入及び各借入れに相当する行為を行わなかった他の納税者との間で、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって評価することが許されるというべきである。
(TAINZ:判決年月日 R01-08-27国税庁訴資 Z888-2271)
実は、財産評価基本通達には、俗に総則6項と呼ばれる規定があり、過度な節税には時価で課税できるようになっています。
第1章総則 : 6 この通達の定めにより難い場合の評価 この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。 |
そもそも不動産を保有することは、その管理や価額下落のリスクを負います。
節税のために管理しきれない不動産を所有したり、財産を失っては元も子もありません。
ある程度の節税は必要と考えますが、バランス感覚が大切かと思います。
∞∞ 吉岡 ∞∞