【コラム】当初申告要件が存置した規定

税金の申告にあたって、納税者にとって有利になる制度の適用を受けるための意思表示を、当初の申告(期限内申告、期限後申告)において行われなければならないものがあります。これを「当初申告要件」といいます。

この当初申告要件の多くは、平成23年の12月の税制改正において廃止されましたが、そのまま残った規定もあります。
主な規定は次のとおりです。

小規模宅地等の特例(相続税関係) 措法69条の4⑦
相続時精算課税制度(相続税関係) 相法21条の9②
居住用財産の譲渡の3,000万円の特別控除(所得税関係) 措法35⑪
住宅借入金等特別控除(所得税関係) 措法41㉛
研究開発税制(法人税関係、所得税関係) 措法42条の4⑩他
所得拡大税制(法人税関係、所得税関係) 措法42条の12の5⑤他

例えば、小規模宅地等の特例を見てみると次のような規定になっています。

⑦ ・・・相続税法第27条(注:期限内申告書)・・・の規定による申告書(これらの申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。・・・)に第1項の規定(注:小規模宅地等の特例)の適用を受けようとする旨を記載し、同項の規定による計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。

これにより、小規模宅地等の特例は、当初申告(期限内申告書、期限後申告書)において認めれるということになります。

なお、これらの申告書に係る修正申告書ですが、稀なケースかも知れませんが例えば、当初申告で小規模宅地等の申告が漏れていて、税務調査で修正申告が必要になったような場合などが考えられます。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

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