新型コロナウイルスの国民経済への影響を受けて、国民には10万円特別定額給付金、企業にには雇用調整給付金、持続化給付金(法人は200万円、個人事業者は100万円)、さらに地方自治体から感染予防協力金(東京都の場合、50万円、2事業所以上100万円)の経済対策が公表されています。
政府はこれでなんとか中小企業者には7月ころまで持ちこたえてもらって、その次の政策としてテナントの家賃補助を検討しているようです。
与党、野党ともテナントの家賃補助をすることについては合意しているようですが、その補助の方法に大きな差があります。
与党案は、テナント企業に直接給付、野党案は政府系金融機関が肩代わりし、1年程度の猶予期間を設け、肩代わりした金融機関がテナントから家賃を回収するというものです。
与党案は、簡単そうに見えますが、下記のとおり線引が難しく、また、なぜテナントだけなのか給料が減額になった給与所得者はどうするのかといった問題もでてきます。
両案とも一長一短がありますが、野党案の方が優れていると思います。
ポイント | 問題点 | |
政府・与党 | ■テナントである中小・零細企業
■補助金をテナントに直接給付 |
□対象業種の線引き、都市部と地方の負担が違う
□店の売り上げの増減で家賃が変動する契約内容も多く、制度設計が難しい □幅広く対象とすれば財政のさらなる悪化を招く |
野党4党共同会派 | ■2割程度減収になったテナントの中小・零細企業
■不動産所有者が借り手のテナントから賃料を受け取れない場合、政府系金融機関が肩代わり ■テナントが政府系金融機関に賃料を返済する期間も1年猶予 |
□政府系金融機関が債権を回収できずに焦げ付くおそれがある。 |
∞∞吉岡∞∞