【相続税・贈与税】非上場株式の評価方法の見直し

-財産評価基本通達-
相続税や贈与税は、相続開始時や贈与時の財産の評価額を基に税額を計算します。

上場株式等のように日々の取引価格が公表されているものは、その評価額を計算することは容易です。

土地などの不動産はどうでしょうか。不動産はおおよその取引相場価額は判るかも知れませんが、実際にその価額で売れるかどうかは売りに出してみなければわかりません。売りに出せば直ぐに買い手が付くものもありますが、なかなか買い手が付かないものも少なくありません。

では、日本の会社の99%を占める非上場株式はどうでしょう。非上場株式のことを相続(贈与)税法では取引相場のない株式等といいます。取引相場がないといっても全く価値がないというわけではありません。会社を解散して残余財産があれば株主に分配されます。探せば株式を買い取って会社を経営してもよいという人が出てくるかもしれません。
このように考えると非上場株式も何らかの方法で評価をしなければなりません。

また、相続・贈与財産の評価額が、評価する人によってバラバラだと有利不利が生じて不公平になります。

そこで、すべての相続・贈与財産の評価方法を画一的に定めたのが「財産評価基本通達」です。

-非上場株式の評価方法の見直し-
平成29年度税制改正大綱では、つぎのようになっていました。


(6)相続税等の財産評価の適正化
相続税法の時価主義の下、実態を踏まえて、次の見直しを行う。
① 取引相場のない株式の評価の見直し
イ 類似業種比準方式について、次の見直しを行う。
(イ)類似業種の上場会社の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均を加える。
(ロ)類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとする。
(ハ)配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、1:1:1とする。
ロ 評価会社の規模区分の金額等の基準について、大会社及び中会社の適用範囲を総じて拡大する。


また、現在「財産評価基本通達」の一部改正(案)のパブリックコメントが募集されています。改正案の内容を知りたい方はここをクリックして下さい。

ここで注目されているのは、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重についてです。
従前は、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重が1:3:1だったのが、改正案では1:1:1となっています。
つまり、利益金額が比重が従前3/(1+3+1)=60%だったのが、改正案では1/(1++1+1)=33%となっていて、類似業種比準価額における利益の占める割合が半減しています。その分、配当金額と簿価純資産価額は1/(1++3+1)=20%から改正案では1/(1++1+1)=33%となり1.5倍となっています。

評価方法の見直しにより、例えば社歴が古く過去の利益の蓄積が多額 (簿価純資産価額⇒大) だけれども最近はあまり儲かっていない (利益金額⇒小) 会社の株式の評価額は、上昇することが見込まれます。
一方、社歴が浅く過去の利益の蓄積は十分ではない (簿価純資産価額⇒小) けれども高収益 (利益金額⇒大) の会社は、逆に下落することが見込まれます。

なお、この改正は、平成29年1月1日以後の相続・贈与から適用される予定です。

∞∞ 吉岡 ∞∞

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