【相続税】納税義務の変遷②

納税義務の変遷①の続きです。
平成25年の税制改正後もいくつかの問題がありました。

①子供に外国籍を持たせ海外に居住させるとともに、親自身も海外に移住すれば、国外財産について相続税が課税されない。
②子供に日本国籍があっても、親子共々5年超海外に移住するすれば、国外財産について相続税が課税されない。
③在留資格などで日本で一時的に働いているにもかかわらず、日本に住所を有しているために、本国にある財産も日本の相続税の課税対象されてしまう。


平成29年の税制改正で、これらの問題ついてつぎのように対応しました。

①について
外国籍で海外に居住する子供であっても、親自身が相続開始前10年以内に日本に住所を有していれば、全世界財産について相続税を課税する。

②について
相続人又は被相続人のいずれかが相続開始前5年以内に日本に住所を有している場合は、全世界財産について相続税を課税するとしていましたが、この5年の期間を10年に伸ばしました。

③について(平成30年度の税制改正で一部変更されていますのでご注意ください。)
日本に住所を有する相続人が一時居住者であって、被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合は、日本にある財産についてのみ相続税を課税する。

一時居住者 相続開始時に在留資格を有する者で相続開始前15年以内に日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下であるもの。
一時居住被相続人 相続開始時において在留資格を有し、かつ、日本国内に住所があった被相続人であって、相続開始時前15年以内において日本国内に住所をあった期間の合計が10年以下であるものをいいます。
非居住被相続人 相続開始時において日本国内に住所がなかった被相続人であって次に掲げる者をいいます。
①相続開始時前10年以内の何れかの時において日本国内に住所があったことがあるもののうち相続開始時前15年以内において日本国内に住所があった期間の合計が10年以下のもの(この期間引き続き日本国籍を有していなかったものに限る。)
②相続開始時10年以内のいずれの時においても日本国内に住所がなかったもの。

在留資格などで日本で一時的に働いていた期間が10年を超えて本国に帰国すると、その者は非居住被相続人とはなりません。
この者について相続が発生すると、その相続人が日本に住所なし・日本国籍なしであっても、全世界財産について日本の相続税がかかってしまうことになります。

この点について、平成30年度の税制改正で、日本で一時的に働いていた外国人の出国後の一定の相続については、日本にある財産についてのみ相続税の課税をするとこととしました。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

 

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