【法人税】所得拡大促進税制の見直し

先日(12月10日付)、令和3年度の税制改正大綱が政府与党より公表されました。ここ数年大きな改正項目はありませんでしたが、今年も普段の実務に直結する改正は多くありません。

改正項目としては、まずは「所得拡大促進税制」でしょうか。


経済の好循環のためには、企業が生み出した付加価値の従業員給与への還元を促すことが引き続き必要である。雇用の維持・確保への懸念がある中においては、特に中小企業全体として雇用を守りつつ、賃上げによる所得拡大を促すことが重要である。このため、賃上げだけでなく、雇用を増加させる企業を下支えする観点から、従来の①雇用者給与等支給額が前年度を上回ること、②継続雇用者給与等支給額の 1.5%以上増加という要件を雇用者給与等支給額が1.5%以上増加という要件に見直した上で2年延長する。(令和3年度税制改正大綱13頁より)


現行法では「継続雇用者」となっていますが、これが「雇用者」に変わります。
継続がつくか否かで、実務における事務の労力に大きな違いがあります。

継続雇用者だと次の全ての要件を満たす者を抜き出して集計しなければなりませんでした。
・前事業年度及び適用事業年度の全ての月分の給与等の支給を受けた国内雇用者である。
・前事業年度及び適用事業年度の全ての期間において雇用保険の一般被保険者である。
・前事業年度及び適用事業年度の全てまたは一部の期間において高年齢者雇用安定法に定める継続雇用制度の対象となっていない。

さらに、継続がつかなくなることで必ずしも給料をあげなくても、雇用を増やすことでこの制度の適用が受けられることになります。


[適用要件]

改正前 改正後
①雇用者給与等支給額 > 前期の雇用者給 与等支給額 雇用者給与等支給額 ≧ 前期の雇用者給与等支給額×101.5%
継続雇用者給与等支給額 ≧ 前期の継続雇用者給与等支給額×101.5%

[税額控除]

改正前 改正後
(雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)× 15% (雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)× 15%
下記の①及び②の要件を満たす場合は、15%に10%上乗せして25%となる。
継続雇用者給与等支給額 ≧ 前期の継続雇用者給与等支給額×102.5%
②下記のいずれかを満たす場合
イ)適用事業年度における教育訓練費の額が前事業年度における教育訓練費の額と比べて10%以上増加していること。
ロ)適用事業年度の終了の日までに中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上計画に基づき経営力向上が確実に行われたことにつき証明がされて 法人又は個人のその事業に係る国内雇 いること。
同左

雇用者給与等支給額 ≧ 前期の雇用者給与等支給額×102.5%
②下記のいずれかを満たす場合

イ)同左

ロ)同左

控除税額は適用年度の法人税額の20%を上限とする。 同左

[適用時期]
令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する事業年度について適用される。

[留意点]

・上記①及び②の要件を判定する場合には、雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除しない。
・税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から前期の雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除して計算した金額を上限とする。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

税理士のSEO対策・ホームページ制作