【所得税】空き家特例の留意点

空き家特例は、相続を契機として空き家が発生するのを税制面から抑制しようという趣旨の制度です。

相続開始から3年目の12月31日までの間に、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたもの)とその敷地、又は家屋を取壊してその敷地を譲渡した場合には、居住用財産の譲渡の場合と同様に譲渡所得から3,000万円の特別控除が認められます。

この場合の被相続人が居住の用に供していた家屋について、つぎのように規定されています。


(所得税施行令23条第7項)
一 特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなつた時から・・・相続の開始の直前まで引き続き当該被相続人居住用家屋が当該被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと。
二 特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなつた時から・・・相続の開始の直前まで当該被相続人居住用家屋が事業の用、貸付けの用又は当該被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと
三 省略


最近は相続税のご相談と共に、この空き家特例を使いたいという税務相談が増えてきています。
ただ、上記赤字の「当該被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。」という要件があることから、残念ながらこの制度が使えないケースがあります。

事例として多いのは、ご主人がこの特例の適用要件を満たす老人ホームに入居しましたが、奥様はしばらくはそのご自宅で生活を続けていました。その後、奥様自身も介護が必要になり老人ホームに入居したため、ご自宅が空き家になった場合です。

この状態でご主人に相続が発生しますと、ご主人が老人ホームに入居して以降も奥様が住んでいたことから、「当該被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。」の要件を満たさないため空き家特例の適用がないことになります。

なお、ご主人が老人ホームに入居して以降も奥様がずっとご自宅に住んでいて、奥様がご自宅を相続した場合には、通常の居住用財産の3000万円控除の特例を使うことができます。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

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