【所得税】会計検査院とローン控除の改正

税制における優遇措置は、原則として重複適用は認められない造りになっています。
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と「住宅借入金等特別控除(ローン控除)」の併用適用も、本来重複適用は認められていませんでした。

ただし、極めて稀なケースですが、両規定の重複適用が認められる場合があり、会計検査院よりその点を指摘されました。

会計検査院の指摘されるまでもなく、財務省も当然その点は承知していたと思いますが、あまりにも稀なケースなのであえて条文の手直しはしてこなかったのではないかと思います。

実際、会計検査院の報告では、平成28年又は29年に譲渡の特例を受けたもののうち、ローン控除との併用適用を受けたものが37名であったとされています。


1.「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」
この特例は、居住している住宅と敷地が前提ですが、住まなくなった場合であっても住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すれば適用が認められます。

2.住宅借入金等特別控除(ローン控除)について
この特例の適用にあたっては、他の優遇措置との重複適用を排除するために、居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産の3,000万円控除を含む他の特例の適用を受けていないことが条件となっていました。

3.会計検査院の指摘事項
新しく住居を取得して「住宅借入金等特別控除(ローン控除)」を適用し始めた場合で、旧住宅を※3年目に譲渡すれば、新住宅のローン控除も旧住宅の3,000万円控除も両方適用できてしまうではないかという指摘です。(会計検査院「平成30年度決算検査報告の概要」p385👈クリック)

※旧住宅については、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの用途は問いませんが、建物を取壊した場合は用途等が問われますのでご注意ください。(国税庁HP👈クリック)

4.令和2年の税制改正
住宅借入金等特別控除(ローン控除)の規定で、改正前は「前後の2年ずつ」であったのが、改正後は「入居した年又はその年の前2年若しくは後3年」とされました。(国税庁HP👈クリック)

 

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