【所得税】上場株式等の譲渡と配当:配偶者控除が受けられなくなる事例①

<<配当所得を申告して還付を受けたために損をした事例>>
専業主婦である妻は、亡くなった父から上場株式の相続をしました。上場株式の配当は40万円、源泉徴収された税額81,260円(所得税・復興特別所得税61,260円、住民税20,000円)でした。妻は他に所得がないので基礎控除(所得税38万円、住民税33万円)と配当控除(注1)を適用して源泉徴収税額の全額の還付を受けました。なお、夫の所得税の限界税率(注2)40%です。

(注1)配当控除とは、課税総所得が1,000万円以下の場合は、所得税については配当所得の10%、住民税については配当所得の2.8%が税額控除されます。
(注2)限界税率とは、所得税は課税所得金額に応じて5%~45%までの累進税率になっていますが、その適用される一番高い税率をいいます。

イ.妻の税額計算
(所得税)
・課税総所得金額:配当所得40万円-基礎控除38万円=2万円
・所得税額:2万円×5%=1,000円
・配当控除額:40万円×5%=20,000円 20,000円 > 1,000円 ∴1,000
・差引所得税額:1,000円-1,000円=0円
・源泉徴収税額の還付:0円-61,260円=△61,260円(還付)

(住民税)
・課税総所得金額:配当所得40万円-基礎控除33万円=7万円
・住民税額:7万円×10%=7,000円
・配当控除額:40万円×2.8%=11,200円 11,200円 > 7,000円 ∴7,000
・差引所得税額:7,000円-7,000円=0円
・源泉徴収税額の還付:0円-20,000円=△20,000円(還付)

ロ.夫の増加税額
・妻配偶者控除の判定:妻の合計所得金額40万円 > 38万円 ∴妻は控除対象配偶者に該当しない。
(所得税)
・増加額:配偶者控除の額38万円×夫の限界税率40%=152、000円

(住民税)
・増加額:配偶者控除の額33万円×住民税率10%=33,000円

-結論-
妻は確定申告したことにより、配当所得にかかる源泉税81,260円(所得税61,260円+住民税20,000円)の還付を受けることができましたが、一方夫は妻を控除対象配偶者とすることができなくなったため、税金が185,000円(所得税152、000円+住民税33,000円)増加したため、世帯としては103,740円(185,000円-81,260円)税金が増えてしまいました。

 

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