宗教法人

宗教法人は法人格を有します

宗教法人とは宗教団体として活動実績のあるものが所轄庁の認証を経て法人格を取得したものをいいます。

この宗教法人は、全国で約18,000あり、内訳は神道系が約45%、仏教系が約40%、キリスト教系が約5%、その他が約10%となっています。

宗教法人を設立するには所轄庁の認証が必要です

宗教法人を設立するには、法人の管理運営を行うための組織、根本原則等を定めた規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受けなければなりません。

所轄庁は原則として、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事ですが、規模の大きな法人では文部科学大臣になります。

また、所轄庁への認証申請の少なくとも1ヶ月前に信者や利害関係人に対して、規則の案の要旨を示して、宗教法人を設立する旨を公告しなければなりません。

宗教法人は、所轄庁の規則の認証を受けた後、主たる事務所の所在地において登記することにより設立します。

宗教法人も帳簿書類等の作成をします

宗教法人は、毎会計年度終了後4カ月以内に役員名簿、財産目録、収支計算書(収入金額が一定の金額以内の場合は作成が免除されます)、貸借対照表、境内建物に関する書類等の写しを所轄庁へ提出しなければなりません。

また、帳簿書類については宗教法人の主たる事務所に備付け、信者やその他の利害関係人から帳簿書類の閲覧の請求があったときはこれに応じなければなりません。

宗教法人の収益事業には法人税が課税されます

宗教法人は、株式会社のように営利を目的として設立された法人ではないため、宗教法人本来の活動から生じた利益については、原則として法人税は課税されません。

ただし、営利法人と競合する一定の事業活動(以下「収益事業」といいます)から生じた利益については、他の営利法人と同様に法人税が課税されます。
この収益事業については、物品販売業、不動産貸付業など34種類の事業に限定されています。

宗教法人が行う事業のうち収益事業に該当するものとしては、例えば絵葉書やキーホルダーの販売などがあります。
これらの物品の販売は一般の物品販売業者においても行われていますので、営利法人と競合する事業に該当するため、物品販売業として収益事業となります。

一般の物品販売業者と競合しない物品、例えば、お守りやおみくじ等の販売については、宗教法人本来の活動から生じたものと考えられるため、収益事業には該当しません。

物品販売業以外の収益事業としては、茶道教室、生花教室等を開設し特定の技芸を教授する事業(技芸教授業)や境内の一部を月極めの駐車場として貸付ける事業(駐車場業)などがあります。

宗教法人であっても消費税の納税義務者になる場合があります

宗教法人も一般の事業者と同様に消費税の納税義務者になる可能性があります。

法人税の課税については、宗教法人の行う事業が収益事業に該当するか否かにより判断されましたが、消費税ではこのような区分はありません。

宗教法人であっても一般の事業者が消費税の納税義務者となる場合と同様に、前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超える場合等は消費税を納める必要が生じます。

宗教法人も源泉所得税義務者です

宗教法人も源泉徴収義務者となります。

宗教法人が、職員等に給与を支払う場合、あるいは顧問弁護士、税理士等へ報酬を支払う場合には、その支払の際に、所得税を源泉徴収して国に納付する必要があります。

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