減価償却方法の変遷
減価償却資産の償却方法は度々改正されてきました。その結果、企業や個人事業主の固定資産台帳には同じ減価償却資産であっても異なる償却方法に拠っていることが見受けられます。平成10年以降の減価償却の変遷の概要をまとめてみました。
平成10年4月改正
- 平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、改正当時の定額法のみとなりました。これにより現在では、建物の減価償却方法は旧定額法及び定額法となっています。
- 建物(建物付属設備、構築物等は従来通り)の使用可能年数が短縮されました。なお、平成10年3月31日以前からある建物も短縮された耐用年数が適用されました。
平成19年度改正
- 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産(旧減価償却資産)の償却方法を旧定額法・旧定率法、平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産(新減価償却資産)の償却方法を定額法・定率法となりました。
- 償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することとなりました。
- このため定率法の償却方法に、「償却保証額」、「調整前償却額」、「改定取得価額」、「改定償却率」が設けられました。
- 定額法の償却率の原則2.5倍に設定された定率法の償却率(250%定率法)が導入されました。
平成20年4月改正
- 耐用年数省令が改正され、機械及び装置を中心に実態に即した使用年数を基に資産区分が整理されるとともに、法定耐用年数の見直しが行われました。
平成24年4月改正
- 平成 24 年4月1日以後に取得をされる減価償却資産の定率法の償却率について、定額法の償却率を2.5倍した償却率(250%定率法)から、定額法の償却率を2倍した償却率(200%定率法)に引き下げられました。
平成28年4月改正
- 平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物の償却方法は、定額法のみとなりました。