昨年の11月1日付で本稿でも取りあげましたが、教育資金の一括贈与の非課税制度が改正されます。
-改正(案)-
・現行制度では所得制限がありませんが、改正案では子・孫などの受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この制度の適用はなくなります。
・現行制度では年齢を問わずその使途の制限がありませんでしたが、改正案では23歳以上の者のについては次の費用に範囲が限定されます。
①学校等に支払われる費用
②学校等に関連する費用(留学渡航費等)
③学校等以外の者に支払われる費用で、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するために支払われるもの
・現行制度では 30歳到達時において使い切れずに残った金額は、その時点で贈与税が課税されることになっています。
改正案では、①現に学校等に在学し又は②教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合には贈与税を課税されず、その後①又は②に該当しなくなった時点(注)でその年の年末の残高に対して贈与税が課税されることになります。
(注)ただし、それ以前に40歳に達した場合には、その時点の残高に対して贈与税を課税されます。
・現行では、相続開始前3年以内の教育資金の贈与であっても贈与者の相続財産に加算しなくてもよいことになっています。
改正案では、贈与者の相続開始前3年以内に行われた贈与について、受贈者が次のいずれかに該当する場合を除き、相続開始時における残高を相続財産に加算されることになります。
①23 歳未満である場合
②学校等に在学している場合
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
これにより直前の相続対策ができなくなりますので、この部分が改正の影響が実務的には大きいと思われます。