所有者不明土地がどのくらいあるかというと、最後の登記から50年以上経過している土地の割合が、大都市で約6.6% 、中小都市・中山間地域で約26.6%、
また、不動産登記簿のみでは所有者の所在が確認できない土地の割合が 約20.1%もあるそうです。👈法制審議会第183回会議配布資料より
その結果、公共事業の用地買収、災害の復旧・復興事業の実施や民間の土地取引の際に、所有者の探索に多大な時間と費用を要するなど、
国民経済にも著しい損失を生じさせています。
「所有者不明土地」対策のための民法、不動産登記法などの改正案が国会で4月21日に成立しました。
改正のポイントは次です。
①所有者の氏名・住所変更登記の義務化 | 所有者の氏名や住所が変わった場合、その変わった日から2年以内の変更登記の申請が義務化されました。違反者には5万円以下の過料が科されます。 |
②相続登記の義務化 | 相続があった場合、取得を知った日から3年以内の相続登記の申請が義務化されました。違反者には10万円以下の過料が科されます。 |
③相続人申告登記制度の創設 | 遺産分割でもめるなどして期限に間に合わない場合に、法務局において、自分が登記名義人の法定相続人である旨を申告することによって、相続登記の義務を履行をしたものとみなす制度 です。 ただし、持分等は登記されない報告的な登記なので、遺産分割が確定したら、遺産分割の日から3年以内に改めて相続登記をしなければなりません。 |
④相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属制度の創設 | 相続等により土地を取得した者がその所有権を放棄して、その土地を国庫へ帰属させることを可能とする制度です。
ただし、次のような土地は対象外となります。 また、審査手数料のほか、10年分の土地の管理費を納めなければなりません。 (参考) 柵を設け、看板を設置し、草刈・巡回費用として、200㎡の宅地の管理費用(10年分)は約80万円程度かかるとする例(👈法務省HP)が掲げられています。 |
∞∞ 吉岡 ∞∞