オーナー会社

中小企業は日本経済の要です

中小企業庁の調べによりますと、日本の中小企業の数は約177.5万社で、全会社数に占める割合は99.3%となっています。

また中小企業は雇用の約7割を担っています。

まさに、中小企業は日本経済の根幹を担っているといえます。

同族会社は税法用語です

その中小企業のほとんどが、同族会社です。

同族会社とは、簡単にいいますと上位3つの株主グループで会社の株式の50%超保有している会社をいい、税法で定められている用語です。

オーナー会社とは通称です

同族会社とよく似たものにオーナー会社があります。
これは同族会社のように税法でキチンと定義されたものではなく、オーナー(owner:所有者)が会社を実質的に支配している会社をいうようです。

例えば3つの株主グループがあって、それぞれのグループの株式所有割合が拮抗している様な場合、税法の定義からいえばこれを同族会社といいますが、一般的にはこのようなケースはオーナー会社とは呼ばないでしょう。

一方、株式の所有割合が50%に満たなくても創業家ということでオーナー会社と呼ぶ場合もあります。

同族会社=オーナー会社とは必ずしもいえないようです。

事業承継の方法は3つあります

中小企業における事業承継には大きく分けて、

  1. 親族に承継させる
  2. 会社の株式を他社に譲渡する(M&A
  3. 親族外の取締役や従業員に承継させる

つの方法があります。

このうち中小企業の場合圧倒的に多いのが、①の親族への承継だろうと思います。

親族に承継者がいないなどの理由で①がうまくいかない場合、②のM&Aや③の親族外承継を検討することになります。

事業承継には、ビジネスそのものの承継と会社の株式の承継があります。

このうち、株式の承継には常に税金がついてまわります。
例えば、相続により株式を承継すれば相続税、生前に株式を贈与すれば贈与税、親子間で株式を売買すれば所得税が課税されます。

非上場会社の株式は本当に財産といえるでしょうか

オーナー会社、あるいは同族会社のような非上場会社の株式のことを税法では取引相場のない株式といいます。
これは読んで字のごとく、取引相場のない株式、つまり時価のない株式であって市場に流通していない株式です。

オーナーに相続が発生した場合、オーナーの株式は相続財産として課税の対象となります。
仮にオーナーの長男が後継者としてこの株式だけを相続した場合、相続税はかかりますが相続した株式には換金性がないので納税はできない、やむを得ず借金をして納税するといった事態が起こり得ます。
つまり取引相場のない株式を相続したため債務(相続税)を背負ったことになってしまいます。

事業承継にはキチンとした計画が大切です

後継者への株式の移転を考える場合には、株式の移転時期の検討、株価対策、納税資金対策など事前によく準備しておき、できるだけ低い税コストでスムーズに移転させることが重要です。

先の事例では、オーナーの長男が後継者と決まっているのなら、相続まで待たずに生前に贈与などの対策がうてないか、相続する株式を少し減らして預金などの納税資金を併せて相続する遺産分割は可能か、相続後に税務上の特例を使って会社に株式を買い取ってもらう方法は可能だろうか、などいろいろ事前に検討することができます。



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