NPOでも法人格を取得することができます
NPOとは、Non‐Profit Organization の略で、非営利組織全般を意味します。
このNPOのうち、特定非営利活動促進法に定める一定の要件を満たし、法人格が与えられたものをNPO法人といいます。
この一定の要件には、特定非営利活動法で定める20種類のいずれかの活動を行っていること、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与すること、営利を目的としないこと、宗教活動や政治活動を主目的としないことなどがあります。
NPO法人を設立するためには所轄庁の認証を受ける必要があります
NPO法人を設立する場合には、所轄庁である事務所の所在地の都道府県に設立申請書類を提出しなければなりません。
複数の都道府県に事務所を設ける場合には、所轄庁は内閣総理大臣となりますので、申請書類は内閣府に提出することになります。
その後、審査期間を経て所轄庁から認証を受けた場合には、事務所の所在地で登記を行うことにより、NPO法人は設立します。
認定NPO法人になると寄附が受けやすくなります
認定NPO法人とは、NPO法人のうち、事業活動等が適正であり、かつ、公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の認定を受けたものをいいます。
認定NPO法人に対して、個人又は法人が、その特定非営利活動に係る事業に関連する寄附又は贈与をしたときは、その個人又は法人に対する所得税、法人税、相続税の課税について寄附金控除等の特例を受けることができます。
このため、認定NPO法人になると個人や法人から寄附を受けやすくなるといったメリットがあります。
NPO法人でも法人税を納める必要があります
NPO法人は、特定非営利活動法で定める17種類のいずれかの活動を行う必要がありますが、これらの公益を目的とする活動全てについて法人税が課税されないわけではありません。
NPO法人であっても、営利法人と競合する一定の事業活動(以下「収益事業」といいます)から生じた利益については、他の営利法人と同様に法人税を納める必要があります。
法人税法は、事業目的が公益かどうかで課税するか否かを判断するのではなく、営利法人との課税の公平を図るため、一般の営利法人と競合する事業については課税することとしています。
例えば、介護サービス事業は、NPO法で定める「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」ですが、法人税法上の収益事業に該当するためNPO法人本来の活動であっても法人税が課税されます。
NPO法人であっても消費税の納税義務者になる場合があります
NPO法人も一般の事業者と同様に消費税の納税義務者になる場合があります。
法人税の課税については、NPO法人の行う事業が収益事業に該当するか否かにより判断されましたが、消費税ではこのような区分はありません。
NPO法人であっても一般の事業者が消費税の納税義務者となる場合と同様に、前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超える場合等は消費税を納める必要が生じます。
NPO法人も源泉所得税の納税義務者です
NPO法人も源泉所得税の徴収義務者となります。
NPO法人が、職員等に給与を支払う場合、あるいは顧問税理士等へ報酬を支払う場合には、その支払の際に、所得税を源泉徴収して国に納付する必要があります。