相続財産の中にマンションがある、あるいはマンションを贈与するといった場合には、相続税や贈与税の計算においてマンションの評価をしなければなりません。
マンションは、建物部分と土地等(借地権を含む)からなっています。
建物の評価は簡単です。
自分で利用している場合は固定資産税評価額がそのまま建物の評価になります。
土地等の評価は少し面倒です。
まず、マンションが所在する地域に路線価※が定められている場合は路線価で評価します。
路線価が定められていない場合は、土地等の固定資産税評価額に地域ごとに定められている倍率を乗じて計算します。
※令和2年分の路線価図・評価倍率表(👈国税庁HPクリック)
なお、路線価で評価する場合は、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率(👈国税庁HPクリック)で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算します。
この場合の乗じる面積ですが、マンションの場合は敷地全体のうちの評価するマンションの持分割合になります。
平成29年までのマンション敷地は「広大地の評価」ではありませんでした。
ところが、「広大地の評価」が改められ「地積規模の大きな宅地」(👈国税庁HPクリック)となったことにより、敷地規模の大きいマンションにも要件を満たせば評価減が認められることになりました。
「地積規模の大きな宅地」では、マンションのような敷地の持ち分は小さくても、敷地全体で判断するためです。
地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定(👈国税庁HPクリック)
【照会要旨】
複数の者に共有されている宅地の場合、地積規模の要件を満たすかどうかは、共有者の持分に応じてあん分した後の地積により判定するのでしょうか。
【回答要旨】
複数の者に共有されている宅地については、共有者の持分に応じてあん分する前の共有地全体の地積により地積規模を判定します。
評価対象となるマンションの
・敷地の面積が、三大都市圏では500㎡以上、三大都市圏以外の地域においては1,000㎡以上であること
・敷地を評価する路線価の地区が普通商業・併用住宅地区又は普通住宅地区であること
・敷地の容積率が400%(東京都の特別区においては300%)未満であること
他にも要件はありますが、適用を受けることができるとなると少なくとも2割は評価額を減額することができます。
∞∞ 吉岡 ∞∞