事業承継税制には、従来からある一般措置(2009年度創設)と特例措置(2018年度創設)の2つがあります。現状ではこの二つの制度が走っていて特例措置は2027年12月31日までとなっています。
特例措置は一般措置よりもいろいろな点で優遇されていています。たとえば、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限の撤廃、相続の場合の納税猶予割合の引上げなどです。
事業承継税制は、2027年12月31日までなら特例措置の選択を検討することになります。
ただし、この特例措置を受けるためには、会社は認定支援機関※が所見を記載した「特例承継計画」を作成し、都道府県知事の承認を受けなければなりません。
注意しなければならないのは、この「特例承継計画」の都道府県知事による承認は、2023年3月31日までとなっています。
※認定支援機関とは、中小企業が安心して経営相談等が受けられるために専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。具体的には、商工会や商工会議所などの中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な認定支援機関として認定されています。
「特例承継計画」の作成はさほどハードルが高くはないので、事業承継税制を利用する可能性が少しでもあるのならとりあえず申請し、承認を受けておいたほうがよいでしょう。
なお、事業承継税制において贈与の場合は事前に、相続の場合は事前・事後どちらでもかまいません。
会社が特例承認計画に記載する内容は下記です。
1. 会社について
2. 特例代表者について
3. 特例後継者について
4. 特例代表者が有する株式等を特例後継者が取得するまでの期間における経営の計画について
5. 特例後継者が株式等を承継した後5年間の経営計画
特例後継者が実際に事業承継を行った後の5年間で、どのような経営を行っていく予定か、具体的な取組内容を記載。
特例承継計画に関する指導及び助言を行う機関における事務について(中小企業庁 財務課)参照