相続が発生し相続財産が確定すると、遺言書がある場合を除き※遺産分割協議に入ります。
※相続人の全員の同意があれば遺言書と異なる遺産分割協議をしてもよいことになっています。この場合贈与税の課税はありません(国税庁HP参照)。
例えば不動産が複数ある場合、相続人間で相続したい物件が競合する場合があります。このような場合、揉めることを避けて相続人で共有にするケースがあります。
近々譲渡する予定なら共有でも問題ありませんが長期保有予定の場合は、できるだけ共有は避けたほうがよいと思います。
昨今の相続は老老相続などといわれ、亡くなった父は90歳代、相続人である子は60~70歳代というケースも珍しくはなく、つぎの世代の相続の話もでる時代になっています。
不動産を共有にしてしまうと、つぎの世代では甥姪同士の共有、そのつぎの世代では会ったことも者同士の共有になっていまします。このような状態になると不動産の利用が著しく制限されていまいます。
共有で相続した土地の面積が十分大きくて分割ができるような場合は、早めに共有地の分割をしておいて次の世代に共有状態を引き継がないことが望まれます。
共有地の分割は共有者同士の持ち分の交換という考え方があります。税務の取り扱いは交換も譲渡になりますので、これだと譲渡所得課税といういことになります。
もう一つは、共有は将来において行われる持分に応じた分割のための過渡的な姿に過ぎないという考え方もあり、税務はこの考え方に基づき譲渡には当たらない扱いとなっています。
所得税基本通達33-1の7
個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があったときには、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。
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以下略
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