【相続税】小規模宅地の特例における事業の範囲

小規模宅地等の特例制度の趣旨は、相続人等の生活基盤となるべきものはその処分に相当の制約や困難が伴うからとされています。
制度の対象となるのは、事業用の宅地と居住用の宅地で一定の面積まででとされています。

さらに事業用の宅地は、製造業・小売・サービス業といった不動産貸付業以外の事業のための宅地と不動産貸付業のための宅地に区分されています。
この区分は、おそらく処分の制約や困難の度合いからきているのではないかと思います。

平成30年度の税制改正で、不動産貸付業について相続税負担を過度に軽減する事案に対処するため、相続開始前3年以内に貸し付けを開始した不動産については、対象から除外されていますが、いわゆる事業的規模で貸付を行っている場合はこの除外の適用がないとされています。


これらを一つの条文(措法69の4)で規定しているため、事業の範囲だけでも次のとおり4つあり、理解しづらいものとなっています。

1.対象となる宅地について

小規模宅地等の特例の対象となるのは、被相続人等※の事業及び準事業(事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの)の用に供されていた宅地等※※です。

※被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族をいいます。
※※土地又は土地の上に存する権利(借地権や地上権など)です。以下同じ。

措法69の4①本文
措令40の2①

準事業も対象となっていますので、事業規模は問わずこの特例の対象となりますが、不動産の貸付けについては「相当の対価を得て継続的に行うも」とされていますので、使用貸借により貸し付けられている宅地等は対象になりません。

使用貸借とは宅地等を無償で貸し付けている場合のことで、借地借家法の適用を受けることができません。なお、固定資産税等の実費負担程度の場合は使用貸借の範囲と考えられています。

2.特定事業用宅地等の対象となる宅地の範囲

特定事業用宅地等(400㎡まで80%減額)の対象となるのは、被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を除く。)の用に供されていた宅地等です。 措法69の4③一、三
措令40の2⑦

3.貸付事業用宅地等の対象となる宅地の範囲

貸付事業用宅地等(200㎡まで50%減額)の対象となるのは、被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業に限る。以下「貸付事業」という。)の用に供されていた宅地等です。

ただし、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は、下記4.の事業的規模の宅地等の場合を除いて対象とはなりません。

措法69の4③四
措令40の2⑦

4.事業的規模の宅地等

事業的規模の宅地等とは、特定貸付事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業)をいいます。

(注)準事業(事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの)が除かれている点にご留意ください。

措法69の4③四
措令40の2⑲

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

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