-不動産の相続税評価方法-
評価方法 | 価格水準 | |
建物 | 固定資産税評価額 | 建築家価額の50%~70% |
土地 | 路線価 | 公示地価の80% |
-貸家(入居率100%)の場合-
評価方法 | |
建物(貸家) | 固定資産税評価額×(1-0.3:借家権割合) |
土地(貸家建付地) | 路線価×(1-借地権割合※×0.3:借家権割合) |
※借地権割合は国税庁HPの路線価図に路線価と一緒に表示されています。
(例)当事務所の所在地(千代田区神田神保町2-14)だと路線価図で960Cとなっています。これは路線価960千円/㎡、借地権割合70%ということを表しています。
記号 | A | B | C | D | E | F | G |
借地権割合 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | 30% |
-手持ち資金又は借入でアパートを建築-
(例)駐車場(相続税評価100)事業をやめて、その土地の上に手持ち資金100で賃貸アパート建築しアパート事業を開始しました。敷地の借地権割合はD(60%)とします。
現状 | ⇒ | アパート建築 | ⇒ | 賃貸開始(入居率100%) | |||
資金 | 100 | 建物 | (仮)60 | 建物 | 60×(1-60×0.3)=42 | ||
駐車場 | 100 | 土地 | 100 | 土地 | 100×(1-0.6×0.3)=82 | ||
計 | 200 | 計 | 160 | 計 | 124 |
手持ち資金100、駐車場(更地)100のまま相続を迎える場合に比べて、資金100でアパートを建てたことにより、相続財産を△76(200-124)圧縮することができました。
-留意点-
・アパート事業には、入退去手続き、家賃の延滞、入居者同士のトラブル、建物の日常的な管理、所得税の申告等々を伴い、それなりの覚悟をもって始める必要があります。
・アパート事業は30年程度はつづきます。最初の10年くらいはよいのですが、つぎの10年になると屋根・外壁・鉄部の塗装などの大規模な修繕が必要となります。また、どうしても内装や外観が古くなり入居率も落ちてきます。さらにつぎの10年になると建物の老朽化に伴いメンテナンス費用の増加、入居率の低下、家賃の値下げなどが避けられなくなります。
・銀行借入でアパートを建てる場合は、入居率の低下や家賃の値下げなどに伴う収入の減少、建物の老朽化に伴う費用の増加を見込んだ将来キャッシュフローを計算し、借入の返済が十分可能かどうか検討しておく必要があります。
・不動産会社による一括借り上げもありますが、2年毎に家賃の見直しがあるなどの場合がありますので、条件をよく調べておくことが大切です。
∞∞ 吉岡 ∞∞