日本では、中古の建物はあまり評価されません。
地価の高い地域では、建物は評価されず、多くは取壊しが前提になります。
一方、海外のリゾート地などの投資物件は、建物を修繕しながら使っていくため、建物込みの価額で取引されます。
ここに目を付けたのが、賃貸物件として海外の中古不動産を利用した節税です。
郊外のタウンハウスや一戸建ての木造だと、新築の耐用年数は22年ですが、耐用年数を超えたものは4年で償却できます。
これを利用して多額の減価償却費を計上することにより赤字を作り出し、日本国内の所得と通算して節税をはかるものです。
この耐用年数を利用した節税は、なにも海外の中古不動産投資ばかりではありません。
ちょっとした節税としては、自動車の耐用年数が5年と短いことから、中古の高級車を利用したものがあります。
商品としては航空機リーススキーム(オペレーティングリース)などがあります。
このうち海外中古不動産を利用した節税は、ここ数年毎年規制されるのではないかといわれ続けてきました。
先日の新聞報道によりますと、どうも来年の税制改正で規制されるようです。
今年は、所得層にかかわらず国民全員が負担する消費税が10月に10%に増税されました。
高額な海外中古不動産の投資が富裕層に多い節税であることを考えれば、規制のタイミングは今なのだと思います。
財務省主税局は、巷で行われている節税商品や手法は、すべて把握していると考えておくべきです。行き過ぎた節税が盛んになると、時期を見て税制改正や通達で蓋をします。
納税者は、節税商品に蓋をされた場合、どのように対応するかは、最初から考えておくべきです。節税は、常にリスクと隣り合わせだからです。
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