マンション管理組合が「稼ぐ活動」に乗り出している。携帯基地局のアンテナ設置や駐車場の外部貸しなどだ。収益を修繕積立金に充てるのが目的だが、軌道に乗れば訪問看護施設の誘致など、暮らしやすさを高められる。住まいの場で営利活動することへの合意形成がカギを握る。
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東京都港区にある約580戸の「白金タワー」。19年4月に2階の共用施設を用途変更して、約800万円かけて改修し訪問看護ステーションを誘致した。資金は駐車場のサブリースで得た剰余金を充てた。(2020/08/29日経)
分譲マンションでは、住民の高齢化にともない、車を持たない生活に移行する世帯が増えてます。
分譲当時は不足気味だった駐車場も空きが目立ち、平置きはともかく機械式の立体駐車場はその維持費の負担が大きく、管理組合の会計や積立金を圧迫しています。
この空いた駐車場を外部に貸し出せないかと考えるのは当然だろうと思います。
マンションには、駐車場以外にも集会所を習い事や学習塾に時間貸しする、屋上をアンテナの基地局として貸し出す、広告看板などを設置させる、などが考えられます。
ところで、無粋な話ですが、マンションの建物や敷地を貸せば、その所得に対して税金はどうなるのかという問題があります。
マンション管理組合の多くは法人化していません。法人化していないマンション管理組合は税法的には「人格のない社団等」という扱いになります。
人格のない社団等とは、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいいます(法人税法2条①8)。 (例)PTA、町内会、研究会、同窓会、同業者団体、マンションの管理組合など |
この人格のない社団等は、収益事業※から生じた所得に対してのみ法人税や住民税が課税されます。
管理組合員から徴収する組合費、管理費、修繕積立金、駐車場料金などは法人税の課税の対象とはなりませんが、外部に貸し付けた不動産貸付にかかる収益は収益事業に該当するので税金の対象となります。
※収益事業は34業種に限られています(国税庁HP👈クリック)
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