今日の日本経済新聞の朝刊で、サッポロビールが一旦納めた税金の還付を求めて国を訴えたとする記事がありました。
当初の「極ゼロ」が一般の発泡性酒類に該当した場合に払うべきだった酒税との差額分115億円を納税した。
だが、サッポロはその後の社内調査で当初の製品が「第三のビールにあたるとの確証を得た」として、税の返還を要求。しかし国税当局は退け、昨年10月には国税不服審判所への審査請求も棄却された。
税の返還を求めて訴訟を起こす場合、国税不服審の結論から半年以内に決める必要がある。
ギリギリ半年たった11日に提訴に踏み切った背景には、「ここで返還を断念すれば、株主に説明がつかない」との判断があったようだ。
(日経4月19日朝刊)
税務調査などでの税務署の処分に納得がいかない場合は、手続きとしては2通りあります。一つは、税務署長に再調査の請求をする方法です。もう一つは国税不服審判所に審査請求をする方法です。それでもなお不服があるときは、裁判所に訴訟を起こすことになります。なお、税務訴訟の場合は国税不服審判所への審査請求を経なければならないことになっていて、いきなり訴訟は出来ないことになっています。
-再調査の請求-
税務署長の処分に不服があるときは、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に税務署長に対して再調査の請求を行うことができます。税務署長はその処分を改めて見直しを行い再調査決定書を納税者に通知することになっています。しかし、一度した処分を見直してもらったところで期待が持てない場合は、この再調査の請求を経ずに、直接国税不服審判所長に対して審査請求を行うこともできます。なお、この再調査の請求に係る決定により、納税者にとって不利となるような変更はありません。
-審査請求-
国税不服審判所長に対しての審査請求となります。なお、この裁決により、納税者にとって不利となるような変更がされることはありません。
直接審査請求を行う場合・・・税務署長の処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内
税務署長に対する再調査の請求を経てから行う場合・・・再調査決定書により通知された日の翌日から1か月以内
-訴訟-
国税不服審判所長の裁決を受けた後、なお処分に不服があるときは、その通知を受けた日の翌日から6か月以内に裁判所に訴訟を起こすことができます。
サッポロビールの場合、まず税務署長に再調査の請求をしたようです。その結果、再調査決定が不服であったため、国税不服審判所長に審査請求したものと思われます。さらに国税不服審判所長の裁決に不服があったため、その裁決後6ヶ月以内に裁判所に原処分取消訴訟を起こしたものと思われます。
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