財産債務調書

財産債務調書の創設

財産債務調書は平成27年度の税制改正で創設されました。

それまでは、所得金額が2,000万円を超える者を対象とした財産債務明細書でした。

この財産債務明細書は、制度としては提出が義務付けられていましたが、どちらかというと確定申告のついでに作成し提出するという感じで、提出率も4割程度だったようです。


財産債務調書の提出要件

この財産債務明細書が大幅に見直されて、財産債務調書となりました。

この財産債務調書は、所得金額2,000万円超の要件に加え、その年の12月31日おいて財産の価額の合計額が3億円以上又は1億円以上の国外転出特例対象財産(注)を有する者という要件が加わりました。

所得2,000万円超 財産3億円以上

国外転出特例財産
1億円以上

財産債務調書
提出義務の有無

有り
× 有り
× 有り
× × 無し

(注)国外転出特例対象財産とは、国外転出時課税制度の適用を受ける者が所有等している有価証券(株式や投資信託など)等をいいます。

判定にあたってはいくつか注意点があります。

  • 財産の価額は純資産価額(財産の価額から負債の額を控除した価額)ではなく、財産の価額の総額になります。
  • 国内財産だけでなく国外財産も含めて財産の価額を判定します。
  • 国外財産調書に記載した国外財産については記載をしなくてよいとされています。


財産債務調書のインセンティブとペナルティー

インセンティブ

財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、財産債務調書に記載がある財産債務に係る所得税等や相続税の申告漏れがあったときでも、その財産債務に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%軽減されます。

ペナルティー

財産債務調書の提出が提出期限内にない場合又は提出期限内に提出された財産債務調書に記載すべき財産債務の記載がない場合に、その財産債務に関する所得税等の申告漏れが生じたときは、その財産債務に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%加重されます。


記載方法等

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