【相続税・贈与税】暦年贈与による相続税対策・保険料贈与スキーム

贈与税の基礎控除110万円を利用した、保険料贈与スキーム(保険料贈与プランともいいます。)というのがあります。
仕組みはさほど難しいものではなく、祖父母から孫に保険料相当額の贈与をするというものです。

-具体例-
・保険契約の締結
例えば、孫は生命保険会社とつぎの保険契約を結びます。

保険契約者 :孫
被保険者 :長男
保険料負担者 :孫
保険金受取人 :孫

・祖父は孫が支払う毎年の保険料に見合う金銭を孫に贈与します。
・孫は祖父から贈与を受けた金銭を原資に、毎年生命保険料を保険会社社に支払います。

-スキームの効果-
・孫は祖父から受けた贈与については、贈与税の基礎控除があるので贈与税がかからないか、かかっても少額の負担ですむ。
・保険事故(保険の満期や被保険者の死亡)により受け取る保険金は、孫の一時所得になり2分の1課税で有利である。

(保険金額-払込保険料-特別控除額:最高50万円)×1/2

・孫は代襲相続人なる場合や養子縁組をしている場合を除き、通常祖父母の相続人とはならないので、相続開始前3年以内の贈与加算はない。
・子ではなく孫とすることにより、子より1世代先なので、相続税対策としてはより有効である。

-スキームの問題点-
・贈与は贈与契約の成立とその履行が原則です。したがって、祖父と孫との間で毎年贈与契約を結び、祖父の口座から孫の口座に毎年実際に金銭の振り込みなされていなければならず、実務的な困難をともないます。
・さらに毎年保険料相当額の贈与がなされる結果、連年贈与の問題が生じます。つまり、祖父と孫との間で保険料の総額を贈与する契約が成立し、これを毎年分割して孫に渡していると認定されると、毎年の保険料に対してではなく、保険料の総額に対して贈与税が課税されてしまう可能性があります。
・かつて国税庁には下記の事務連絡が存在していましたので、参考までに掲げておきます。


国税庁の事務連絡(昭和58年9月)

(1)被相続人の死亡又は生命保険契約の満期により保険金等を取得した場合若しくは保険事故は発生していないが保険料の負担者が死亡した場合において、当該生命保険又は当該生命保険に関する権利の課税に当たっては、それぞれの保険料の負担者からそれらを相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなして、相続税又は贈与税を課税することとしている。
(注) 生命保険金を受け取った者が保険料を負担している場合には、所得税(一時所得又は雑所得)が課税される。

(2) 生命保険契約の締結に当たっては、生計を維持している父親等が契約者となり被保険者は父親等、受取人は子供等として、その保険料の支払いは父親等が負担しているというのが通例である。 このような場合には、保険料の支払いについて、父親等と子供達との間に贈与関係は生じないとして、相続税法の規定に基づき、保険事故発生時を課税時期としてとらえ、保険金を受け取った子供等に対して相続税又は贈与税を課税することとしている。

(3)ところが、最近、保険料支払い能力のない子供等を契約者及び受取人として生命保険契約を父親等が締結し、その支払保険料については、父親等が子供等に現金を贈与し、その現金を保険料の支払いに充てるという事例が見受けられるようになった。

(4)この場合の支払保険料の負担者の判定については、過去の保険料の支払資金は父親等から贈与を受けた現金を充てていた旨、子供等(納税者)から主張があった場合は、事実関係を検討の上、例えば、①毎年の贈与契約書、②過去の贈与税の申告書、③所得税の確定申告等における生命保険料控除の状況、④その他贈与の事実が認定できるものなどから贈与事実の心証が得られたものは、これを認めることとする。


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