【相続税・贈与税】非上場株式の納税猶予制度の趣旨

平成30年度の税制改正で、非上場株式の納税猶予制度は10年間の特例措置として、その要件が緩和されました。
・猶予の対象となる株式が3分の2から100%
・相続の場合の納税猶予が80%から100% 等々

これを受けて、所轄省庁である中小企業庁では下記のように評価しています。


・事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「法人向け事業承継税制」を、平成30年度の 税制改正で抜本的に拡充。
・ 拡充前は、年間400件程度の申請であったが、拡充後は足元の申請件数は年間6000件に迫る 勢いであり、爆発的に伸びている。(中小企業庁HP👈クリック)


制度が緩和されて申請件数は増えていると思いますが、爆発的に伸びているという実感はありません。6000件という数字は30年12月の1ヶ月分の申請件数を12倍したもので、やや誇張ぎみの感がします。

制度そのものは依然として複雑ですし、事業承継者は贈与税や相続税という租税債務を長期間に渡って背負っていかなければならない、要件を満たさければ一度に課税という、本質的な部分は変わっていないからだと思います。

この制度は事業承継税制と位置付けられているにも関わらず、不動産や金融資産の塊のような会社(資産管理会社)は除外されています。また、贈与時や相続時の雇用の平均がやむ得ない場合を除いて8割維持しなければならないなどの要件が付されています。

これは、制度創設の趣旨が中小企業で働く従業員の雇用の確保だからです。
中小企業オーナーの相続税対策を前面に出してしまうと、金持ち優遇と言われてしまうからだと思います。

本当に中小企業の株式が次世代への事業承継のネックとなっているのなら、一定の要件に該当する中小企業は、(例えば)20年会社が存続したら、猶予されていた相続税や贈与税は免除とすればよいと思います。中小企業オーナの目の色が変わり、もっと申請件数が増えると思います。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

 

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