【コラム】退職給付金の受取方法の有利不利

退職給付金を一時金で受け取る場合と年金で受け取る場合とでは、どちらが有利なのでしょうか。
その判断要素としては、受取総額、税負担額、社会保険料の三つの要素があると思います。


-受取総額-
年金方式には有期年金と終身年金がありますが、終身年金は少なくなって最近は有期年金が一般的になってきているようです。

年金方式の最大のメリットは、退職金を分割してもらう代わりに企業が退職金を運用してくれるので、一時金で受け取るよりも受取総額が多くなる点です。
例えば退職金を3,000万円、予定利率を2%、10年有期年金だと毎年の年金は334万円なので10年間での受取総額は3,340万円となり、一時金で受け取るよりも総額で340万円多くなります。



-税負担額-

①退職所得
一時金で受け取った場合は退職所得となります。
退職所得の金額は、つぎのように計算します。

退職所得の金額=(収入金額 - 退職所得控除額※) × 1 / 2
勤続年数 ※退職所得控除額
20年以下 40万円 × 勤続年数
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

例えば、退職金が3,000万円で38年間勤務した場合の退職所得の金額はつぎのとおりです。

470万円=(3,000万円 - 2,060万円※) × 1 / 2

※800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円

つまり退職金3,000万円を受け取っても税金の課税対象となるのは470万円ですみます。
退職所得課税には、退職所得控除や2分の1課税の他にも、他に所得があったとしても他の所得合算しない分離課税となっていて、税金面で優遇されています。詳しくは国税庁HPをご参照下さい。

②公的年金等に係る雑所得
年金で受け取った場合は、公的年金等に係る雑所得となり、つぎのように計算します。詳しくは国税庁HPをご参照ください。

公的年金等に係る雑所得の金額=公的年金等の収入金額の合計額-公的年金等控除額

公的年金等については公的年金等控除額がありますが、他の所得と合算する総合課税であり、退職所得のように2分の1課税や分離課税といった優遇措置はありません。



-社会保険料-

退職金を一時金で受け取る退職所得の場合は、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料などへの影響はありません。しかし、年金として受け取る場合は公的年金等に係る雑所得として、これら保険料の所得割額の計算対象となる総所得金額等を含まれるため、社会保険料が増える場合があります。

∞∞ 吉岡 ∞∞

 

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