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【所得税・相続税】暗号資産(仮想通貨)の低額譲渡と相続税・贈与税

2021-09-07

所得税では暗号資産の譲渡は、不動産や有価証券等の譲渡とは異なり、棚卸資産に準ずる資産として扱われます。(所令87)
この暗号資産については、国税庁のHPに「暗号資産に関する税務上の取り扱いについて(情報)」として公表されています。
以下、説明がやや煩雑になるので個人間の税務の取り扱いとします。


7. 時価よりも著しく低い価額による譲渡があった場合(情報16
<譲渡をした人>
■暗号資産を著しく低い価額(注)で譲渡した場合には、その対価の額だけでなく、その対価の額と譲渡の時における時価(注)との差額のうち実質的に贈与したと認められる金額も雑所得等の総収入金額に算入する必要があります。(所法40①二、所令87)

(注)著しく低い価額での譲渡とは、時価の70%未満か否かで判定すればよいことになっています。(所基通40-2)

<譲渡を受けた人>
■暗号資産を取得した人がその後譲渡する場合の雑所得の計算の基礎となる取得価額は、その支払った対価の額と贈与とされた金額の合計額になります。(所法40②)

■暗号資産を購入した時の時価と支払った対価との差額は贈与があったものとして贈与税が課税されます。なお、この場合の贈与税の計算における時価について明文規定がないため時価の70%相当額(所基通40-2)の適用はないものと思われます。


8. 贈与又は遺贈があった場合(情報4情報16情報26
<贈与又は遺贈をした人>
■暗号資産の贈与(注1)又は遺贈(注2)があった場合は、その時における暗号資産の時価を雑所得の総収入金額に算入されます。(所法40①一、所令87)
(注1)相続人に対する死因贈与を除きます。
(注2)包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈を除きます。

<贈与又は遺贈を受けた人>
■贈与を受けた場合には、その贈与を受けた時の暗号資産の時価に対して贈与税が課税されます。

■遺贈を受けた場合には、その遺贈に係る相続の時の暗号資産の時価に対して相続税が課税されます。

■上記贈与又は遺贈により暗号資産の取得をした個人が、その後暗号資産を譲渡した場合における雑所得等の計算の基礎となる暗号資産の取得価額は、その贈与又は遺贈の時における暗号資産の時価となります。


9. 相続等があった場合(情報4情報26
■被相続人等から暗号資産を相続又は遺贈(死因贈与を含む。)より取得した場合には、相続税が課税されます。

相続税法では、個人が、金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税の課税対象となることとされています。

■暗号資産を、相続人に対する死因贈与、相続、包括遺贈又は相続人に対する特定遺贈により取得した場合における取得価額は、被相続人の死亡の時に、その被相続人が暗号資産について選択していた方法により評価した金額(被相続人が死亡時に保有する暗号資産の評価額)とされています。

 

∞∞ 吉岡 ∞∞

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